東京に上京して驚いたことは山ほどあるのですが、特に驚いたのは、名前の呼び方です。
東京では、当たり前のように人のことを名字で呼んだり、下の名前に「ちゃん」や「くん」をつけて呼ぶことがあります。
しかし、沖縄では、こんな呼び方をすることがありません。
では、一体、どのように人を呼ぶのでしょうか。今日はこの辺を存分にお話ししていきたいと思います。
名字で呼ぶと混乱を招く!
逆に県外の名字の人は名字呼び!
まず、沖縄では基本的に名字呼びをすることはありません。
僕自身も、名字呼びをされることはありませんでした。
学校でもバイト先でも、どこでも最初から呼び捨てが普通なので、県外の人からすれば「いきなり距離近っ!」と思うかもしれません。
一般的に、下の名前で呼び捨てするのは、相当親しい友人か恋人、または親子関係ならではでしょう。
しかし、沖縄ではこれが普通で、誰も違和感を抱きません。
ただ、沖縄の名字じゃない人がクラスにいる場合、大抵は名字で呼ばれることになります。
「榎本」、「松野」、「小宮山」など、そういった県外の名字はカッコ良すぎて、ついつい名字で呼びたくなってしまいます。
沖縄の名字は、基本的には言いにくいものが多いため、東京のパキッとした名字の人がいると、つい嬉しくて呼んでしまうのです!
沖縄の名字は、「短すぎる」かつ「音韻が似ている」名字が多いため、名字で呼ぶと混乱を招きます。
「比嘉」(ひが)、「伊波」(いは)、「伊佐」(いさ)、「喜納」(きな)、「儀間」(ぎま)・・・
母音が「i」と「a」の組み合わせの名字だけで、これだけ数があります。しかも、結構な確率で同じクラスにいます笑
滑舌が悪かったら終わりですね・・・。
ちなみに、長すぎる名字もたくさんあります。
またこの辺については、違う記事で話したいと思います。
呼び捨て文化が根付いている沖縄では、「○○くん」「○○ちゃん」と呼び合うことはあまりありません。
東京に上京したとき、男子大学生が女子大生に向かって「○○ちゃん」と呼んでいるのを聞いて、「キモッ!」って思ってしまったのを覚えています笑
それぐらい、沖縄県民にとっては「ちゃんづけ」や「くんづけ」は、馴染みのない呼び方なのです。
沖縄の人名には「~」を付けるのが基本
では、沖縄ではだれかれ構わず下の名前で呼び捨てしているかというと、これがそういうわけでもないのです。
沖縄独自のあだ名というものがあります。
例えば、「ありさ」という名前の人がいたとしましょう。
この人が沖縄で呼ばれる場合、「ありさ~」か「あ~り~」の二択です。
なぜ?と思う人もいるでしょうが、沖縄ではどういうわけか、人の名前に「~」をいれる風習があります。
例えば、「まさなり」という名前の人がいたとしましょう。
この人が沖縄で呼ばれる場合、「まさなり~」か「ま~さ~」か「な~り~」の三択です。
つまり、沖縄であだ名がつく場合は、「下の名前」+「~」が基本。
正直これは、あだ名というよりも、呼び捨てで呼ぶときの基本です。
そして、あだ名の変化形が「名前の中の二文字を選択」+「~」を一文字おきに入れる。
公式っぽくすると、こういうことになります。
ぜひ、覚えておいてください。
また、女性の場合は、一人称が「わたし」ではなく、下の名前で称するのが基本のため、これも普段の呼ばれ方に影響されます。
ありさが「あ~り~」と呼ばれている場合、大抵は「あ~り~が食べたいのは・・・」と話が続いていきます。
ありさが「ありさ~」と呼ばれている場合、大抵は「ありさ~が食べたいのは・・・」と話が続いていきます。
普段の呼ばれ方と一致しない場合は、ほとんどないでしょう。
小学校ではさん付け必須だったが
結局、沖縄県民には浸透しなかった
最後に余談ですが、実は僕らが小学生の低学年のときは、あだ名によるいじめを防ぐために、「お友達には“さん付け”しましょう」という、全く意味の分からない学校規則ができました。
あだ名で呼ぶことを禁止するなら分かりますが、沖縄独自の文化の呼び捨てまで禁止するといった、呼び名を全国レベルに引き上げる学校政策が行われたんです。
担任の先生によってはかなり厳しいクラスもあり、呼び捨てで呼んでいる生徒を見つけると、帰りの会でみんなの前に立たせ、「この2人は呼び捨てで呼び合っていました。普通、呼び捨てで呼び合うのは夫婦関係に限ったことです。なので今日は、この二人の結婚式をしましょう!」という辱めを受け、ミニ結婚式を開かされたそうです・・・。
いや、それはかなりの精神的な屈辱ですよね。
もちろん、本人が良いと思っていないあだ名で呼ぶのは良くないですが、呼び捨てを禁じることもよくないと思います。
結局、こんな「さん付け文化」なんて根付くわけもなく、先生に反抗してさん付けを辞めたり、先生も怒るときはさん付けを忘れたりして、だんだんとなあなあになって自然消滅していきました笑
そもそも、さん付けしているのを上級生に見られるとバカにされるので、余計にいじめられそうで怖いですし。。。
大人になった今でも、あんな変な規則は続けてほしくないと思います。
沖縄人が沖縄人らしく、健やかに育っていくのが一番良いんです。