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沖縄にお笑い革命を起こした男の26年の生涯を観よ。映画「ファニーズ」

わずか26年という人生の中で、現代の沖縄お笑いの道を拓いた芸人・ファニーズの山城達樹さんのドキュメンタリー映画「ファニーズ」

達樹さんの死後、周りの芸人や家族は、どのように生きてきたのか。

達樹さんと沖縄のお笑いを支えるすべての人の人生のドキュメンタリー映画が東京でも上映されました。

沖縄初の芸能事務所を立ち上げた
山城達樹さんのドキュメンタリー映画

今回は、沖縄で公開されて話題になっていた映画「ファニーズ」について。

2024年6月には、下北沢トリウッドで上映されていたため、東京に住んでいる僕も鑑賞することができました。

このドキュメンタリー映画は、沖縄のお笑い文化と、沖縄初の芸能事務所を立ち上げたお笑いコンビ・ファニーズの山城達樹さんを題材にした作品となっています。

監督は、弟の山城智二さん。沖縄県民にとっては、お馴染みのお笑い芸人であり、達樹さんが立ち上げた事務所「FEC」の代表も務めています。

達樹さんのことを沖縄県内外の人に伝えるため、映画の資金をクラウドファンディングで募り、この映画が上映されました。

沖縄のお笑い芸人はもちろん、テレビやラジオのスタッフ、達樹さんのご家族、相方、ガレッジセールさんなど、さまざまな人たちのインタビューとともに、達樹さんの生涯を振り返りながら、今の沖縄のお笑いに焦点を当てた作品となっています。

人間ドラマ・沖縄文化の両輪で楽しめる!

映画の感想としては、ドキュメンタリー映画としての充実度が高く、是非沖縄県外の人に観てほしいなと感じました。

何度もグッとくる場面があり、その度に涙を流してしまうし、ちゃんと笑えるシーンもあります。

達樹さんの人生そのものが魅力的なのはもちろんですが、その周りの人たちが温かくて優しくて、「沖縄って、こういう雰囲気が良いんだよなぁ」と改めて再認識させられました。

ひとりひとりの言葉が、とても自然体で決して飾らず、心から言葉を発している感じがして、東京に住むうちなーんちゅとしては、忘れていた沖縄の心を思い出しました。

達樹さんには、皆人さんという息子がおり、皆人さんもお笑いをやっています。

息子さんがお笑い賞レースで優勝する姿や、舞台に立って漫才する姿は、特に胸を打たれます。

県外の人は、「沖縄のお笑い」っていう感覚がいまいちピンと来ない人も多いと思いますが、この映画を観れば、そのへんもしっかり言語化されているし、実際のネタの映像も流れるので、とても分かりやすいと思います。

いろんな人へのインタビューで出てくるエピソードは、おそらく沖縄ならではの話が多く、「そんなふうに考えるんだ?」とか「そんな制度あるの?」とか、驚きの連続でしょう。

沖縄のお笑いにあまり興味がない人でも、いろんな知識を知ることができるため、きっと楽しめると思います。

言葉や文化の奥に潜むうちなー精神を感じてほしい

僕にとって、沖縄のお笑いとは、日常そのものでした。

以前紹介したラジダブの記事でもそうですが、今考えれば、僕はお笑いというものが大好きな少年で、特に沖縄のお笑いには、身近さを感じていました。

日常からそう遠く離れていないことをネタにして、なおかつそれを明るくやるのが沖縄らしさだと思っています。

人生なんて、正直辛いことばかりですが、沖縄のお笑いにふれていると、そんな負の感情も温かく包み込んでくれるような感覚がして、ついつい寄り道したくなっちゃいます。

なんで、沖縄のお笑いって、こんなに心を癒す要素があるのかを考えたとき、その答えがこの映画にある気がしました。

沖縄といえば、学問的には言葉や文化などにフォーカスを当て、メディア的には風土やグルメなどにフォーカスを当てることが多いですが、この映画で一番感じとってほしいのは、「沖縄人の心」だと思いました。

沖縄らしさを生み出している人達の「心意気」というものが、よく映し出されていて、沖縄の良さがたくさん詰まった映画だと感じられること間違いなしです。

結果的に、それが芸に反映されて、僕たちは「やさしくて楽しくて面白い笑い」を受け取ることができてるんだろうなと思いました。

この映画の最後には、いろんな人に「沖縄のお笑いとは?」と聞くシーンがあります。それも必見です。

そんな沖縄のお笑いの良さが、一人でも多くの人に伝わると嬉しいです。

下北沢トリウッドで公開される日は、残りわずかです!

ぜひ、沖縄のお笑いを体感してみて下さい。

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