今回は、沖縄のラジオ番組についてお話ししていきます。
沖縄は、車社会のため、車の中でラジオ番組を聴く機会が多く、子どもも大人もラジオ聴取率が高いと言われています。
なかでも、若者から支持を得ている番組と言えば、「Radio dub」というFM沖縄の番組。
僕自身も、この番組からラジオ番組の面白さにどっぷり浸かり、大人になって、ラジオ番組の放送作家の仕事をするようになりました。
今の僕があるのは、この番組のおかげと言っても過言ではありません。
月~金の20時~放送中の人気番組!
「Radio dub」(レディオ・ダブ)は通称ラジダブと呼ばれ、リスナーは「ラジオネーム」ではなく「ラジダブネーム」と書いて、メッセージを送ります。
現在は、平日の20時~の1時間番組となっていますが、僕が中学生のときは平日の20時~22時までの2時間番組で、前半1時間をsideA、後半1時間をSideBというオシャレな言い方をしていました。
当時は、まーちゃん(小波津正光)、メロディー、愛ちゃん、エリナというメンバーでお送りしていました。(敬称略)
現在は、メンバーチェンジも行われ、男女4人のメンバーで生放送をしています。
なぜ、学生に人気の番組なのか。
その秘密を元リスナーの視点から掘り下げていきます。
毎日大喜利ありのお笑いプログラム!
今はあるかどうか分かりませんが、10年前のラジダブには、まーちゃんさんがお笑い芸人ということもあり、毎日大喜利コーナーがありました。
その名も、「青春番長!しーじゃ先輩」
しーじゃーというのは、沖縄の方言で「年上」という意味で、しーじゃ先輩からのお題にリスナーたちがボケ回答をしていくコーナーでした。
20時台にお題を募集して、21時台に大喜利の回答を読み上げていきます。
この番組は、基本的にメッセージかネタコーナーを読んでいくのですが、ネタコーナーでは若者だけでなく、おじさんたちも混じって、ボケまくっています笑
ノリとしては、深夜ラジオのノリで、リスナーもパーソナリティーもみんなでわいわいしている感じです。
当時は、番組終了前にリスナーが電話出演する、「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングみたいなコーナーもあり、そこで自分が出演したり、自分の友達が出演しているのを聴いたときは、ものすごくテンションが上がったのを覚えています。
番組の途中からは急に「みんなが中2になれる場所!」というコンセプトを掲げていましたが、本当にその通りの場所でした。
友達との待ち合わせ場所はラジオ。
時には、先生に投稿を聴かれることも・・・
平日夜の20時に生放送があるので、当時中学生だった僕は、ラジダブを中心にスケジュールを組んでいました。
当時は、メッセージテーマなどはなく、メッセージはなんでも送って良かったので、とにかく20時までにフリーメッセージのメールを考えていきます。
基本的には、学校で起きたことを送るのですが、そのエピソードの構成を練り直したり、文量を調整したり、言い方をインパクト強めにしたり、優しめにしながら、メッセージを作り上げます。
そして、20時からはラジオの前でスタンバイ。
自分のラジオネームが呼ばれると、心臓がドキッッッッ!っと大きく揺れ動き、まーちゃんが読み上げるメッセージに耳を傾けます。
ウケたら安心するし、自分のメッセージが長く読まれれば、嬉しい気持ちになりました。
パーソナリティーの反応が良くて、自分でも自信があるものは、録音したものを後日友達に聴かせたりしました笑
そうやって聴かせると、みんなも興味が出てきて、ラジオを聴きだし、送り出し、放課後にラジオで待ち合わせするような感覚になります。
「昨日のお前のネタ、面白かったなー!」
「今日は、この話で送ろうなー!」
「明日は、しーじゃ先輩で読まれるように頑張るわ!」
そんなことを話しながら、友達と歩く帰り道は、僕の青春そのものです。
当時は、ラジオ生放送の様子を観覧することもでき、たまに友達のお父さんに送ってもらって、ラジオ見学をしに行ったこともあります。
とても良い思い出でした。
また、ラジオの聴取率が高い沖縄なので、自分の投稿が学校の先生に聴かれていることがあります。
先生に、「このクラスに、昨日ラジオ番組にメッセージ送った人いるー?」と授業中に聞かれたことが何度かあり、バレる度に謝りましたが、結局送り続けていました笑
ラジオは、上手くいかない人の逃げ場になる。
ここからは、ラジダブはあまり関係ありませんが、いつか僕は、沖縄の学生たちが楽しめるラジオ番組を作りたいと思っています。
ラジオというのは、お金があろうがなかろうが、メールさえ送れれば誰でも参加できて、パーソナリティーやラジオリスナーとの関係性が築けます。
どれだけ学校や職場で上手くいかなくても、こういったコミュニティがあることで、救われる人は多いはずです。
僕もその一人ですし、多分これからも、ずっとそういう場を作るために働きつづけるでしょう。
自分でもそんな番組を作ってみていますが、まだまだリスナーの逃げ場にはなれていない気がするので、もっと精進していきたいと思います。